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どら焼きの末廣屋喜一郎〜井の頭和菓子処 末廣屋喜一郎 2002年度三鷹市商店コンクールIT部門優秀賞受賞

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トップページ01ネタになる和菓子のお話『桜餅は2種類ある? 〜関東VS関西〜』

01ネタになる和菓子のお話

桜餅は2種類ある? 〜関東VS関西〜


関東出身のアヤにとって、「桜餅」はクレープのような焼き皮製の生地であんこをそっとくるんだもの。

でも、関西では、つぶつぶもちもちの生地であんこをしっかり包んだものを、ふつうに「桜餅」というそうですね。

関東のものは、別名「長命寺(ちょうめいじ)」といい、関西のは「道明寺(どうみょうじ)」といいます。

▼関東系桜餅「長命寺」(焼き皮製)

江戸時代、江戸・向島の隅田川沿いにある長命寺というお寺の門番をしていた山本新六さんという人が、あんまりたくさん散り積もる桜の葉っぱに悩まされ、葉っぱを塩漬けにして、お餅を包んで売ってみた、というのが始まりと言われています。

現在は、主に小麦粉を使った生地を薄く焼き、あんこを包んだものが一般的です。


▼関西系桜餅「道明寺」(道明寺粉製)

道明寺は大阪・藤井寺にあるお寺の名前ですが、お菓子そのものの直接の発祥の地、というわけではなく「道明寺粉」という材料を使っているため、そう呼ばれています。

道明寺粉は、もち米を一度蒸して、乾燥させ、粗めに砕いたものです。

戦国時代、炊いたお米を天日に干して乾かしたもので「ほしいい」(糒・干飯・乾飯)という保存食がありました。長期保存でき、水やお湯でふやかしたり、そのままぽりぽり食べたりできるため、戦場に向かう武士の携帯食として重宝されたそうです。

お寺の道明寺では、神前にお供えしたもち米を使って糒を作っていました。道明寺の糒は非常に有名で、豊臣秀吉から礼状を送られたほどなのだそうです。

それで、その糒のことを「道明寺」といい、砕いたものを「道明寺粉」と呼ぶようになったのです。

今は、お菓子の材料として使われることが多いようですが、京料理などの材料としても使われます。

▼桜餅の葉っぱ

よく、桜餅の葉っぱは食べる派?食べない派?という話を聞きますが、関東は薄い葉を使うため食べる、関西は厚いので食べない、という説もありました。

昔は、関東と関西で使う桜の種類も違ったのかもしれませんが、現在は一般的に「オオシマザクラ」という桜の葉を塩漬けにしたもので、食べられます。

桜の葉のしょっぱさが、あんこの甘さを一層引き立たせるんですね。「通」はそうやって食べるのだそうですが、実はアヤは、桜の香りだけを楽しませていただく、食べない派です。

皆さんはどっち派でしょうか?

▼試行錯誤?いろいろあった桜餅

長命寺の門番、山本新六さんは、葉っぱを塩漬けにする前はしょう油漬けで試してみたそうです。こちらは評判が悪く、塩漬けになったのだとか。

また、はじめは葉っぱに直接あんこを包んでいたとか、普通のお餅だったとか、柏餅の、柏の葉の代わりに桜の葉を使ったのだとか、いろいろな説があります。

この他にも、餡餅、くず粉を溶いたもの、うるち米、白玉粉、うどん粉(!)など、いろいろな桜餅が登場したそうです。

現在の長命寺桜餅も、道明寺桜餅も、その中のひとつだったのでしょうね。

▼「長明寺」と「導明寺」?

「長命寺」を「長明寺」と書いたり、「道明寺」を「導明寺」と書いたりすることもありますが、実際のお寺の名前は、「長命寺」「道明寺」です。

なぜ漢字が2種類あるのか?ただの間違いなのか?何か他に理由があるのか?というところまでは、ちょっとたどり着けませんでした。


どなたかご存知の方がいらっしゃったら、どうか教えてください。m(_^_)m
        ☆コチラまで → suehiro@sueki.jp


末廣屋喜一郎でも「導明寺」と書くので、職人!喜一郎に聞いてみました。

『だって「導明寺粉」と書いてある材料を使っているし、だいたい難しい漢字のほうが、なんだかカッコいいじゃない?』

これもひとつのこだわり、なんでしょうかね…(^^

▼感想はこちらまで。suehiro@sueki.jp

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